戸籍の取り寄せの難点
本籍を他の市区町村への移転する転籍のほか、被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本等の取り寄せを困難にしている要因がいくつかあります。以下に列挙してみます。
・市町村合併により本籍を管理している役所がどこかわからない。
・戸籍の編製単位が現行戸籍法(昭和23年~)と旧戸籍法(明治31年~昭和22年)で違う。
・時代により戸籍の様式や記載方法が違う。
・古い戸籍は、手書きのため読みにくい。
特に、現在戸籍から遡って以前の戸籍を請求していく場合には、ある戸籍が「いつ編製され消除されたのか」、つまりその戸籍が被相続人のいつからいつまでの戸籍なのかを間違いなく読み取る知識も必要となってきます。
編製・消除原因を間違ってしまったがために、「出生から死亡までの連続した戸籍謄本」の一部が欠けてしまい、手続きが二度手間になったり、遅滞したりするケースは結構多いものです。
また、戸籍等の交付を請求した役所で請求者と被相続人の関係が分からない場合は、その関係を証明する書類の添付を求められます。
【参考】市町村合併
総務省の統計によると、平成11年3月31日から平成22年3月31日の間だけでも、全国で600件を超える市町村合併がありました。
平成11年3月31日に3232の市町村が、平成22年3月31日には1727になっています。合併により、市町村名が消滅したり、新しい名称が誕生しています。転籍された方の戸籍をたどって収集する際、結構な手間になる原因になっています。
出生から死亡までの連続した戸籍謄本の重要性
遺言書の検認、不動産の相続登記、銀行預金や自動車の相続手続きなどでは、被相続人(亡くなった方)の出生から死亡までの連続した戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本が必要になります。これをもとに、相続人に漏れがないか確認します。
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