戸籍の附票は、住所の移転状況を記録

 戸籍の附票は、本籍地の役所で戸籍と共に管理されており、当該市区町村に本籍を有する者の住所の移転を記録した書類です。住民基本台帳法を根拠として市町村および特別区で作成されています。戸籍は出生、死亡、婚姻などの身分事項を、住民票は住所の移動や世帯の構成を記録しており、戸籍の附票はこの両者をつなぐものです。

戸籍に始まる住所把握の歴史

 明治5年式戸籍によって戸籍制度が始まったころには、本籍は住所を表していました。しかし、明治中期以降には本籍地を離れて生活・就職する者が増えたことによって、本籍=住所(居住地)という形態が実情に合わなくなってきました。
 そのため、大正3年に戸籍制度を補充する目的で、寄留法およびその関係法令が制定され、寄留簿により本籍地以外で生活をする者を把握することとなりました。

 しかし、昭和26年の住民登録法施行によって、住所については住民票をもって把握することになりました。そこで、住民登録法において寄留簿は廃止され、これに代わって戸籍の附票が制定され、現在の住民基本台帳法に引き継がれています。

戸籍の附票の記載事項は?

 戸籍の附票には、その戸籍に記載された日から除籍された日までの、①本籍及び筆頭者、②氏名、③住所、④住所を定めた年月日が記載されます。

 戸籍の附票の写しは、対外的に住所の連続性を証明するものであり、不動産登記や自動車の名義変更(含む売却時)などで利用されることが多いようです。移転によって名義変更時の住所と登録時の住所が違っている場合に、登録住所と現在住所の連続性を証明することによって、登記(登録)名義人と変更手続きをする人が同一人物であることが証明できます。

 同一の市区町村での住所移転や、その市区町村に移転する直前の住所からの移動履歴については、住民票で証明できますが、市区町村をまたいで住所を移転した場合には、戸籍の附票でなければ証明できない場合があります。

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