婚姻の形式的要件
婚姻は、戸籍法の定めるところにより届け出ることによって、その効力を生じます。
またその届出は、当事者双方および成年の証人2人以上が口頭または署名した書面でしなければなりません。
婚姻の実質的要件
婚姻の届出がなされた場合、婚姻に必要な実質的要因を満たさない場合は、これを受理することはできません。
≪実質的要件≫
- ①当事者に婚姻する意思があること。
- ②男性は18歳、女性は16歳の婚姻適齢に達していること。
- ③配偶者のある者は重ねて婚姻することができない。
- ④女性は、前婚の解消または取消しの日から6か月を経過しなければ、再婚することができない。ただし、婚姻の解消または取消しの前から懐胎していた場合には、その出産の日から再婚することができます。
- ⑤直系血族または3親等以内の傍系血族の間では、婚姻することができない(養子と養方の傍系血族を除く)。
- ⑥直系姻族の間では、婚姻することができない。
- ⑦養親子等の婚姻は禁止されています。
- ⑧未成年者の婚姻については、父母の同意が必要です。
協議上の離婚の成立
夫婦はその協議で離婚することができます。
協議離婚は婚姻と同様に、届出によって成立します。
当事者間に未成年の子がある場合には、離婚当事者のうち、どちらが親権者となるのかを届出に記載しなければなりません。
実質的要件については特に定めはありません。
判例においては、夫婦の結合を解消する意思までは必要とされず、法律上の婚姻関係を解消する意思の合致で足りるとされています。
調停・審判による離婚
調停離婚とは、家庭裁判所における調停によって成立する離婚をいいます。
審判離婚とは、調停離婚が成立しない場合に家庭裁判所が相当と認めるときに、一切の事情を考慮して裁判所の職権で当事者双方の申立て趣旨に反しない程度で行う離婚をいいます。
裁判上の離婚
夫婦の一方は、協議離婚、調停・審判離婚が成立しないときに、以下の場合に限って離婚の訴えを提起することができます。
- ①配偶者に不貞行為があったとき
- ②配偶者から悪意で遺棄されたとき
- ③配偶者の生死が3年以上不明のとき
- ④配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき
- ⑤その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき
内縁
内縁とは、婚姻する意思をもって共同生活を営んでおり、社会通念上夫婦と認められているにもかかわらず、法が定める婚姻の届出手続きをしていないために、法律的には夫婦として認めれれていない、事実上の夫婦関係のことをいいます。
内縁関係の者には、相続権は認められていません。