戸籍と住民票、それぞれの対象と目的

 戸籍制度が始まった明治5年当時は本籍=住所であり、戸籍は住民票の機能を兼ねてました。
その後、本籍地から離れた場所で生活する者が増えたため、戸籍とは別に住所を管理する必要から、住民票が制度化されました。

 戸籍は日本国民の登録と証明をするものであるのに対して、住民票は住民の居住関係の登録と証明をするためのものです。つまり、戸籍は日本国民を、住民票は日本国内居住者を対象として登録されています。

 したがって、日本に居住する外国人は、住民票には登録されますが、戸籍には記載されません。日本に帰化(日本国籍の取得を希望する外国人に対して、法務大臣の許可によって日本国籍を与える制度)すると、戸籍に登録されることになります。
 逆に、海外に居住している日本人は、戸籍には登録されていますが、住民票は登録されていません。

戸籍によって公証されるもの

 戸籍によって公証されるるものには、以下のものがあります。
 ①日本国籍を有している証明
 ②親子、夫婦、兄弟姉妹という関係の証明
 ③相続、扶養、親権などの権利義務関係の有無の証明
 ④法律行為能力、婚姻能力、縁組能力等の有無の証明
 相続手続きに戸籍の取り寄せが必要とされるのは、②の身分関係を証明するためです。

住民票によって公証されるもの

 住民票は、外国人登録制度の廃止によって平成24年7月9日から、日本国籍者のみならず外国籍の中長期滞在者や特別永住者なども登録されています。住民票によっては、現住所が公証されます。

戸籍と住民票をつなげるもの

 戸籍の内容を証明する書類が戸籍謄本・戸籍抄本で、住民票の証明書として住民票の写しがあります。また、戸籍と住民票をつなぐものとして、戸籍の附票が存在し、これは本籍地において戸籍とは別の帳簿として作成されています。