相続資格を喪失することがある?
相続人であっても、欠格または廃除により相続権を失うことがあります。
相続欠格に該当すれば当然に相続資格を失うのに対して、相続廃除は、被相続人の意思によって相続資格を失わせるものです。
相続欠格とは?
本来相続人となる者が、法定の不行跡事由によって、当然に相続資格を失うこといいます。
欠格事由として、「故意に被相続人を死亡するに至らせ、刑に処せられた者」など、民法第891条で5項目が挙げられています。
ある者について欠格事由が生じると、その者は当然かつ絶対的に相続権を失い、受遺者となることも出来ません。ただし、相続欠格者に子がいる場合などは、その相続分について代襲相続することができます。
相続廃除とは?
被相続人の意思によって相続資格を失わせるもので、対象者は、遺留分を持つ推定相続人です。
廃除事由は以下の2点です。
①推定相続人が被相続人に対して虐待をし、もしくは重大な侮辱を加えたとき
②推定相続人に著しい非行ががあったとき
被相続人は家庭裁判所に請求、あるいは遺言で廃除意思を示すことができ、家庭裁判所の審判が必要となります。
また、廃除が認められても、被相続人はいつでも廃除の取消しを請求することができます。
廃除の場合も、代襲相続が認められます。
相続放棄とは?
相続が開始した後に、相続人が相続の効果を拒否する意思表示をいいます。
例えば、相続財産が借金のみである場合には、相続人が意思に反して債務を負わされることになるので、これを回避するために認められた制度です。もちろん積極財産を承継したくない場合にも利用できます。
相続放棄をする場合は、相続があったことを知った日から3か月以内に家庭裁判所に申述します。
各相続人が単独で相続放棄をすることができます。
相続放棄をすると、相続放棄者は初めから相続人でなかったとみなされるので、放棄者の子は放棄者を代襲相続することはできません。
相続にあたり、誰が相続人になり、相続手続きに誰の戸籍が必要なのか不明または不安がある場合、こちらをご覧ください